渓流釣りを始めて少し経つと気になってくるラバーソールのウェーディングシューズ。
釣具店で「渓流釣り始めたいんですけどんなシューズがいいですか?」
と聞いてすすめられるのは大抵フェルト系のシューズ。
「ラバーソールって駄目なんですか?」と聞くとまずほとんどの場合、全否定される事が多いアイテムなんです。
そんな、ちょっと悲しい存在なんですが、実はラバーソールの中に「ビブラムソール」といったものがあるのをご存じでしょうか?
言葉だけだとピンとこないかも知れませんが、靴底のあの黄色の8角形のマークは見た事あるって方も多いのではと思いますし、有名ブランドのワークブーツにも結構使われてますよね。
一概にラバーソールと言っても多種多用なものがありますが、この「ビブラム」は群を抜いて別格。
もともとは、登山家でもあった創業者が様々な試行錯誤を繰り返し商品を開発し、特許まで取得しているソール専門のメーカーなんです。
もちろん渓流釣りに最適なソールもしっかりとラインナップされてます。
一般的には渓流釣り初心者にはフェルト系ソールが向いている事が多いんですが、釣りに慣れてきて行動範囲も広くなって来た脱初級者の方にぜひ、試して頂きたいのがこの「ビブラムソール」
フェルト系ソールにはない軽快感、歩行のしやすさは癖になりますよ。
ぜひ、最後までご覧下さい。
ビブラムソールとは

まずビブラムソールについて説明していきます。
ヴィブラム(Vibram)とはイタリアのミラノにあるソール専門メーカーです。
シューズメーカーではなくソール専門メーカーである点が興味深いですね。
イタリアの登山家でもあったヴィターレ・ブラマーニによって設立されたブランドで、ブラマーニが自身の発明の特許を取得し、最初のヴィブラムソールを発売したのが1937年。
その後、1954年にイタリアの登山家がビブラムソール搭載のブーツでK2を制覇したことがきっかけとなり、ビブラムソールの名が一気に全世界に広まる事となりました。
1957年に工場を移転してからは、本格的な生産が始まり、その後も革新的な商品を世に送り出し続けている世界TOPクラスのソールメーカーが「ビブラム」です。
単なるラバーソールという事であれば、現在たくさんのメーカーより販売されています。
ただ、細部に至るまで研究を重ねそのシチュエーションに特化したソールとなると、ビブラム以外の選択肢はかなり少なくなって来るのではと思います。
フェルト系ソールとの比較

それではここからは、よく言われているフェルト系ソールとの違いについて掘り下げてみます。
まず、大前提としてどちらの素材が優れている、劣っているという話ではありません。
フェルト、ビブラムそれぞれに向いている場所、不向きな場所があり、要は自分のよく行くエリアに合わせて最適な選択をしましょうと言う話になります。
フェルト系ソールのメリット・デメリット

まずフェルトという素材ですが、化学繊維を固めて板状に成形したもので、これを靴底の形に合わせて切り出し、張り付けてフェルトソールのシューズが完成します。
以前はラクダ、羊の毛を固めて作っていたようですが、現在は化学繊維の物が一般的に普及しています。
ただ、羊毛フェルトは強いグリップ力に定評があり、一部の鮎タビなどでは現在も採用されていて愛好者も多いようです。(価格は少し高めの設定になります)
フェルト系ソールのメリット
- 水中の苔が付いた岩の上を歩いても滑りにくい
- フェルトピンは比較的万能に使える
- 丸い石が多いエリアはピン無しのフェルトソールの方が◎
- 靴底が減った際はソール交換が可能
フェルト系ソールのデメリット
- 水を吸って重たくなり、軽快感が損なわれる
- 砂を噛むことにより滑りやすくなる
- 洗った後の乾きが遅い
- ソールの減りが早い
- 隙間にゴミ等の異物が入り目詰まりする
ビブラムソールのメリット・デメリット

では次に今回の主役でもあるビブラムソールのメリット、デメリットについてみていきましょう。
数あるラバーソールの中でもトップクラスの品質、そして耐久性・グリップ力を持ち、釣りはもとより登山、アウトドア、その他の分野でも圧倒的な支持を得ているビブラムですが、欠点が無い訳ではありません。
やはり、全てのものは適材適所。ビブラムソールと言えど優れている面もあれば、向いていないシーンもあります。
ビブラムソールのメリット
- 一般的なフェルトソールに比べて軽量
(水を吸わず、砂を噛まない点が大きい) - グリップ力、耐久性に優れている
- ソールが砂を噛まないので岩の上でスリップしにくい
- 使用後のメンテナンスも簡単、乾きも早い
ビブラムソールのデメリット
- 苔やヌル付いた岩では簡単に滑る
- フェルト/フェルトピンに比べて価格設定が高め
- 基本的にソール交換は不可
(例外もありますが、買い替えた方がコスト的に◎)
以上、それぞれの長所、短所について記載してきました。
もちろん、これは実際に使用してみて感じたものばかりで、私が気付いていない事や気になっていない細かい部分もまだあろうかと思います。
そう言った部分も踏まえてそれぞれのソールの持つ最大のメリットを私なりに簡潔にまとめるとこんな感じです。
フェルトソール
水中を歩くウェーディングシューズの基本形、迷ったらまずはこれがおすすめ。
フェルトピンソール
苔やヌル付いた岩、岩の上に堆積した落ち葉の上などを歩行する際などにはフェルトピンが安心度UP。
汎用性は一番高いソールです。
ビブラムソール
水中より陸上を歩く割合の多い渓流域では、その軽さ、グリップ力を活かした軽快なランガンが可能。
余談にはなりますが、フェルトソールに噛みこむ砂、ごみ等の問題ですが、噛みこむのは何も砂、ごみだけではなく最近危惧されている外来種の苔、植物などもあります。
これらが絡みついた状態で別の河川に入渓する事で望まない繁殖を知らないうちに助長してしまう事も。
実際、ニュージーランドではフェルトソールの使用に制限があるらしいですね。
日本でも鮎の冷水病問題などもあり、釣り人自身も気を付けて行く必要がある問題だと思います。
ビブラムソールの向いているシチュエーション

それでは、今日の本題。
ビブラムソールはどんな場所に向いているのかについて説明していきます。
まず、どれだけ川の中を歩くか?といった部分が大きく影響してきます。
もん皆様の普段よく行かれる渓流を思い出してみて下さい


上記のような状況とは逆に、川幅も少し広くなり、頻繁に入水、渡河を繰り返すような場合はフェルト/フェルトピンソールの方に分があります。
ビブラムかフェルトかの線引きは中々難しいんですが、私の今までの体験からすると、陸上:水中の滞在時間が7:3位まででしたらビブラムで行けるかなという感じです。



水中滞在比率がそれ以上になって来ると特殊な場合を除き、かなりストレスの多い釣りを余儀なくされます。
ただ、ビブラムソールは源流域、小渓流に向いていると書きましたが、これもあくまで一般的な例であって、そのようなエリアでもやはり川の中を歩くシーンが多いのであればフェルトの出番の方が多くなってくる事もあります。
逆に、少し川幅のある中流域でも、渡河する必要が無く、陸上からのアプローチのみで釣り上がって行けるようなポイントはビブラムソールが向いていると思います。


また、水中歩行が苦手とされているビブラムソールですが、増水後で苔が飛ばされた後のきれいになった岩の上を歩く時や、もともと苔の付いた岩の少ないエリアでは意外と滑らず、普通に渡河できるんです。
一口に小渓流、源流域といっても川の癖、状況などもありますので、そこら辺も皆様の行かれる川の状況と照らし合わせてソールを選択してみて下さい。



私もここまで2シーズンビブラムソールを試してきました


結局のところ、ビブラムソールの天敵はヌルヌルした苔の存在、これがほぼ全てです。
苔でヌル付いた岩、地面を踏む割合が多いのであれば、そこはビブラムではなく、フェルト系ソールの出番です。
みなさまの行かれる渓流の様子をよく思い出して、選んでみて下さい。
まとめ


ここまで、ビブラムソールの特徴、フェルトソールとの比較についてご紹介してきました。
軽さ、グリップ力の強さで陸上を軽快に動き回れるビブラムソール。
あまり水中に入る事の少ない小規模な渓流、源流域などでは出番が多く、一度使ってみると本当にこのビブラムソールの快適さが良く分かります。
私も、釣りに行く時はほぼ必ずフェルトソールと一緒にビブラムソールのシューズを持参します。
あとは、入渓するポイントに合わせてシューズの選択を行えば一日快適に釣りを楽しむ事ができます。
ただ、最後に一言。
どんなシューズでも滑る時は滑ります。
過信は禁物、くれぐれも安全第一で釣りを楽しみましょう。
ここまでご覧頂き、ありがとうございました。









